わかちあい   
教会 
日本管区の使徒職

● 教会使徒職における働きと意味 ●
李 相源
教会使徒職



聖イグナチオ教会主聖堂内


 教会は、イエス・キリストにおける神のことばによって救われた人々の集いであると同時に、世界に向かって救いを証しする宣教の使命をもった共同体である。第二バチカン公会議は、救いの共同体が世界に向かって開かれて、再び宣教の共同体となるように促した。

 イエズス会は、福音宣教を教会の中心的な関心事として受けとめ、会員が派遣されている教会の宣教司牧において、明確な方針を立てて、具体的な努力を払われなければならない。こうして三十五総会の第六教令「ミッションの中心にある協働」を促進するために、「イエズス会日本管区教会使徒職に関する方針」がまとめられ、以下の五点をわたしたちの教会司牧職に関する基本的目標とした。
①  教会使徒職において、イエズス会員と信徒の協働を実施する。
②  教会使徒職において、正義と平和をさらに促進する。
③  教会使徒職において、若い人々への司牧を促進する。
④  イエズス会員と信徒のキャリアを生かした協働を促進する。
⑤  協働の方針に沿ったイエズス会員の養成を促進する。
以上の目標を通して実現しようとしていることは、教会・地域社会・諸外国・人びとの「連帯と交わりの教会」を再建することにある。

喜び

 わたしたちは信徒の方々とともに新しい方向性を探り、取り組んできた。その結果、教会は少しずつ成長し、自立し始めている。小教区を超えたつながりが形成され、他の教会・ブロック・地区、教区、また一般社会へと関心を広げ、さまざまな活動に声をかけ合って企画し、参加するようになった。少子・高齢化という現代社会が直面している問題が、そのまま教会内でも信仰継承の難しさとして肌で感じられ、次世代の教会のあり方が問われている。これに司祭、修道者、信徒が問題意識を持って共感し、その意識を共有できるようになった。

困難

 マルティーニ枢機卿が南米で、イエズス会員の黙想会を指導した。彼は講話のなかで、「現在わたしたちの会員のミッションは、十分に機能していない。その理由は何だろうか。その原因は何か」と問いかけ、次のように述べた。「それはまず、祈りの欠乏にある。祈りが急激に減ってきた。次に、感覚的な欲望。たとえば飲みたい、食べたい、着たい、旅行したいなど、欲しいと思えばそれを(院長さえも)止めることが難しい。それに、奉献された修道者として向上心がなくなってきた。霊的にも、人間的にも、修道者としてこうありたいという望みを持っていない。そして最後に、(多分これがいちばん言いたかったことだろう)欺かれた生活、自己欺瞞。自らを上手にだまし、それに慣れてしまった。偽った生活をしていても、糾明のなかでさえ、生活を反省しようとしなくなった。こういったことが、わたしたちのミッションを妨げ、困難にしているというのである。

今後の展望

 日本は今、司祭の召し出しが少ない。そして信徒数も減ってきていると心配する声が聞こえてくる。これが、今の日本の教会の厳しい現実だ、と。しかし、うわべだけを現実と聖イグナチオ教会主聖堂内とらえて、悲観してはならない。いちばん大切で確かな「現実」とは、神の子が人となられ、十字架上で死に、復活されたことである。イエスのこの受肉と受難、そして復活の現実をしっかり受けとめ、責任と希望を持って歩んでいきたい。 (右:筆者)

 未来への展望は、イエスの招きがなければ開けない。逆に言えば、イエスの招きさえあれば、今後の展望は明るい、と信じ、真摯に働き続けたい。アーメン。(い さんうぉん 彦島教会・細江教会担当司祭)



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