イエズス会について

「神のより大いなる栄光のために」を旗印として、教皇の下で、キリストと教会が望んでいるあらゆる使徒職への派遣に応えようと、日々クリエイティブな挑戦を試みています。

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大学

年度の春学期が終わった。今学期をふりかえてみると、以前にもまして多忙だったという印象をもつ。その理由の一つに、「上智大学カトリック学生の会」(以下、「カト学」と略記)の指導司祭になったことが挙げられる。上智大学の学生たちとはゼミや授業などで7 年以上関わってきたのだが、「カト学」との関わりは今までの関わりとは異なるものであった。「カト学」は、一つの小さな小教区のようなものである。メンバーは全員で40人ほどであるが、彼らの普段の活動は非常に多様で、その範囲は一つの小教区に似ているからである。「カト学」の活動内容を簡単に紹介すると、彼らは年中行事として復活祭とクリスマスの典礼、「ソフィア祭のバザー」、「ザビエル・ウィーク」、「黙想会」、「春の合宿」、「夏の合宿」などを実施し、毎月の誕生日会や毎週水曜日と金曜日の学内のミサの企画も行う。今年は「カト学」が50周年を迎える年だったので、5月31日には120名ほどの先輩たちを招いてミサと記念レセプションで祝った。その準備にたずさわる役員は、4 月と5 月の二カ月間、ほぼ毎日集まっていた。指導司祭としてわたしにできることは、学生たちの精神的な支えとして、彼らのそばにいて、彼らが必要としている時に助けるということであった。もっとも、経験不足や自分の忙しさなどで十分にできなかったことを反省している。


 さて、「カト学」との関わりを通して、学んだことも多い。無神論的な冷笑とペシミズムによって特徴づけられるポスト・モダン時代に、このように熱く、純粋な信仰を生きるグループがあるということは、何より大きな喜びであった。これから彼らと関わっていくうえで注意したい点を、いくつか分かち合いたい。まず、若者たちが求めている望みに積極的に応えること。現代の若者たちは深い意味で生きる意味を求めている。彼らは現代社会が抱えている不安と孤独の中で、how to live を各自問うている。それはお金や社会的な成功が与えることができない、もっと精神的な次元のものである。日本ではここ数年間カルトなどが引き起こしたスキャンダルのために、教会の宣教に向かう態度がなんとなく消極的であったように思われるが、このような時期こそ教会は若者に向かってもっと積極的にキリストの福音、キリストが伝えた神の国の価値を伝えなければならない。次に、国際的な感覚を広めるチャンスを与えること。たとえば、上智大学や東京教区の若者たちが隣の韓国教会の青年たちとの交流会を行ったり、カンボジア・キャンプ、ワールド・ユース・デイなどに参加したりすることは、彼らに新たな出会いと友情の機会を与える。文化や言語の違いを超えるつながりの感覚を養うのは、信仰の普遍性を理解するうえで重要である。第三に、ミサがいのちを養う場であるということ。当たり前のことであるが、ミサは信仰体験の源泉である。しかし、若者たちがミサを通して本当に神の恵みに触れられるためには、彼らのコードにあう典礼を工夫する必要がある。その中でも特に「音楽」と「説教」は、若者の信仰理解に深い影響を与えるものである。第四に、洗礼を受けていない若者や外国から来た若者と一緒に、共同体を造っていくこと。「カト学」の中に入って驚いたことは、メンバーの半数以上は洗礼を受けていない人々であるということであり、更に驚いたのは、未信者の人々の中に深くキリストを理解し、その信仰を生きている人々が多いということであった。「カト学」は信者・未信者の相違を超えて、キリストを中心とする輪を造る信仰共同体の模範になりうる。そういった相違を超えて、人類が神の恵みにひとしく与るということはキリスト教の本来の教えであろう。「カト学」は、その真実を自ら体現している共同体なのである。この輪が聖霊の恵みに息吹かれ、ありとあらゆる相違を乗り越え、ますますキリストのからだになっていくことを願う。

(く ちょんも 上智大学神学部神学科勤務)

カトリック学生の会のメンバーとともに